爪水虫ってご存知ですか? -2017年12月28日掲載-

爪水虫ってどんな病気?

爪水虫は、白癬菌はくせんきんというカビの一種が爪を侵食し、感染して起こる病気で、正式には「爪白癬」といいます。

痒みなどの自覚症状が少ないため、感染していることに気づかず放置してしまい、知らぬ間に悪化させてしまうことが多いようです。

日本人の5人に1人が足の水虫、10人に1人が爪水虫にかかっている可能性があるという調査結果も出ています。

白癬菌は、皮膚・爪・髪の毛などを作っているケラチンというたんぱく質を栄養源にしており、この白癬菌が引き起こす疾患の中で最も有名なものが水虫(足白癬)です。

ちなみに、足に感染すると「足白癬」(水虫)、爪に感染すると「爪白癬」(爪水虫)、体は「体部白癬」(タムシ)、頭は「頭部白癬」(シラクモ)、股部は「股部白癬」(インキンタムシ)と、感染箇所によって呼び名が変わります。

どうやって爪水虫になるの?

水虫が放置された結果、白癬菌が足の皮膚から爪の中に侵入し、爪にまで感染が広がって罹患します。

そのため爪水虫単独はほとんどなく、たいていの場合、水虫と爪水虫を併発しています。

放っておいたらどうなるの?

爪がボロボロになったり、爪の変色や変形・肥厚が徐々に進行して痛みが出たり、歩きづらくなったりすることがあります。

そうなってからの治療は非常に難しいので、症状が出たらすぐに受診することをおすすめします。

また、患部が感染源となって体のほかの部位へ広がったり、家族や近くの人にも感染させたりするので要注意です。

どうやって診断するの?

爪に何らかの症状があっても、よく似た病気や変化はたくさんあり、爪水虫とは限りません。例えば、「カンジダ症爪真菌症」、「爪乾癬」、「爪甲鉤彎症そうこうこうわんしょう」、「爪異栄養症」、「外傷によるもの」などです。

医療機関で検査を受け、原因を調べることが重要です。

医療機関では、患部より爪を採取し顕微鏡で菌がいるかどうかを確認します。水虫の薬などを使用していると見つけづらくなるので、症状があれば受診するようにしましょう。

爪水虫はどうやって治療するの?

爪水虫には、主に内服薬(飲み薬)と外用薬(塗り薬)による薬物治療が行われます。

内服薬は、体内に取り込まれ体の内側から治します。外用剤は爪に直接塗り、有効成分が爪の中や爪の下まで浸透して白癬菌が潜む場所まで届くことで、増殖した菌を死滅させます。

近年、治療に爪白癬専用の医療用の塗り薬が使われるようになり、効果が期待されています。

治療にはどれくらいの期間がかかる?

一度変色・変形した爪は、薬を使用しても元には戻らないため、新しい健康な爪が生え変わるまで治療を続けなければなりません。爪が生え変わるまで約1年かかると言われているので、じっくりと治療に取り組む必要があります。

日常で気をつけること

足は指の間まで洗い、しっかりと乾かしましょう。
洗うときは、指先・爪先・指間までしっかりと洗い、水気を取りましょう。
感染を広げないように清潔を保ち、湿気を避けましょう。
足にあった通気の良い靴を選びましょう。
靴の中で爪に圧力が加わり変形すると治りにくくなります。
爪を無理に切ったり、削ったりしない。
新しく伸びる爪が変形するのでやめましょう。
使用済みのタオルやバスマット、スリッパなどは共有しない。
タオルやバスマットはこまめに取り換えましょう。
洗濯して乾かすことで白癬菌は取り除けます。一緒に洗濯しても問題ありません。
足の水虫も一緒に治しましょう。
爪水虫を完治させても足水虫から菌が供給されるので、一緒に治しましょう。
ご家族の方も検査を行い、一緒に治療を受けましょう。
家族間で感染することも多いのでご家族の方も検査を受け、一緒に治しましょう。

オススメ記事