皮膚の乾燥とかゆみ対策 -2008年12月1日掲載-

秋から冬にかけて、空気が乾燥してくると、皮膚にかゆみが出てくることがあります。どうしてでしょうか?

かゆみが起こる理由

角質層という一番表面にある層は、外界から皮膚を守っている層です。そこが乾燥し、カサカサになって細かい傷やひび割れが生じると、そこから刺激物質やアレルギーの原因となる物質が入り込んで、かゆみを生じるのです。

かゆいからといって、かくことは、皮膚の表面をさらに傷つけ、皮膚を過敏にしてしまいます。一層かゆみを強くしてしまい、悪循環を生じますので、注意が必要です。

かゆみが起こりやすいのはどんな人?

皮膚の乾燥とかゆみ対策
皮膚から水分と油分が失われると、皮膚は外部からの刺激に弱くなり、かゆみを生じやすくなります。加齢と共にセラミド、アミノ酸といった物質が失われ、角質の水分保持能力が落ちてしまいます。個人差はありますが、だいたい40歳を過ぎると、皮膚の乾燥が目立ってきます。

皮膚の乾燥は、アトピー性皮膚炎のほか、人工透析、糖尿病、肝臓疾患などの全身性疾患によっても起こることがあります。

かゆみが起こりやすい場所

膝から下が一番乾燥しやすく、次いで、大腿部(太もも部分)、腰、背中という順序で乾燥します。ひとにより、色々な部位にかゆみが起こります。

かゆみを防ぐには?

ちょっとした注意をするだけで、かゆみを防ぐことは十分可能です。ぜひ参考にして下さい。

入浴に注意

石鹸で皮脂を取り過ぎない

石鹸やシャンプーの使用は少なめにして、刺激の少ないものを選びましょう。

ゴシゴシ洗いは×

強くこすりすぎると皮脂が失われます。硬い材質のナイロンタオルやブラシは避け、柔らかい布やてのひらで優しく洗いましょう。

お風呂はぬるめに

熱いお風呂は血行を促進しますが、それが刺激となり、かゆみを生じる原因になります。

入浴剤に注意

硫黄の入った入浴剤は皮膚を乾燥させるので避けましょう。

お風呂上りは保湿を心掛けて

皮脂や角質がとれてしまったお風呂上りには、保湿ローションやクリームで皮膚に十分な水分、油分を補給しましょう。

空調機器に注意

エアコンなどの暖房は皮膚を乾燥させます。加湿器を使うなどして乾燥を防ぎましょう。

衣類に注意

直接肌に触れる下着類は保湿性が高く、刺激の少ない木綿製のものがよいでしょう。

食生活に注意

辛い食べ物やアルコールは血行を促進し、体がほてって、かゆみが強くなることがありますので注意が必要です。
協和発酵キリン株式会社「皮膚のかゆみパンフレット」「かゆみナビ」