高血圧について
現在、日本で高血圧の治療をしている人は700万人以上、未治療の人を含めると3000万人以上と言われています。高血圧自体は何も症状がないことが多いですが、高い状態を放っておくと心臓病や脳卒中、腎臓病になるリスクが高くなります。
早朝高血圧とは
夜間から朝にかけての血圧の変化を見た時、通常、夜間就寝時は副交感神経が優位となっているので血圧は日中より低下しています。それが起床とともに交感神経が活発に働き始め血圧が上昇します(モーニングサージ)。
高血圧患者様の中には何らかの理由で夜間も血圧が下がらずそのまま朝を迎え、更に血圧が上昇することによって早朝高血圧を示すことが多いようです。また最近の血圧の薬は、1日1回朝に服用するものが多く、次の日の朝には薬の効果が弱くなり、その影響で高血圧を示す場合も考えられます。
実際、起床時間帯に脳梗塞の発生頻度は高く、起床時は血がどろどろで固まりやすいことだけでなく、血圧が高くなることもリスクのひとつと考えられています。
血圧測定のススメ
高血圧の治療をしている方は、ドクターから家でも血圧を測るようにと言われることも多いと思いますが、たまに測る程度といった方も結構多いのではないでしょうか。
しかし、最初に説明したように、高血圧自体は何も症状がないことが多く、体がなんともないから測らないというのはお勧めできません。また、診察で測ってもらうといつも血圧は安定していて心配ないだろうという方でも、早朝高血圧については医師も診察の時に把握することが出来ません。ぜひ起床時の血圧測定を行ってみて下さい。
逆に診察ではいつも血圧が高い方でも、家庭では良く下がって安定している(白衣高血圧)ことがありますので、ご家庭で血圧を測定することで薬の過量投与を防ぐことができます。
正しい血圧の測り方
血圧測定器は、病院と同じように上腕に巻くタイプのものが良いと言われています。指や手首に巻くタイブは、動脈をしっかり圧迫できないなどの理由から、測定誤差が大きくなりやすいためです。
測定時間は朝と夜の2回、朝は起床後1時間以内で排尿後に測ると良いとされています。もちろん朝食をとる前、血圧の薬を服用する前です。夜は入浴後を避け(血管が拡張し血圧が低くなっています)、就寝前のリラックスした時間に測定すると良いでしょう。ただ、1日2回も測るのが面倒だという人は早朝高血圧のこともあるので朝だけでも測ることをお勧めします。
測る際は座って肘を机などに置き、上腕を心臓と同じ高さにして下さい。測定部位は基本的に利き腕ではないほうとされていますが、いつ測っても左か右のどちらかが高くなるという方は高い方で測るようにして下さい。
血圧測定の継続
さて実際血圧を測ってみると、値がバラバラで信用ならないという方もいるかと思います。測定器が悪くなっていることもあるかもしれません。そういう場合は診察を兼ねて血圧計に問題がないか確認してもらうと良いでしょう。ただ血圧は変動しやすいものと捉えて、同じ時間に何度も測らず1回の測定では2回程度にしておきましょう。一般的には1回目は緊張から血圧が高くなる事が多いので、2回目の値を記録しておくとよいと思います。大切なのは週に3日でも4日でも継続して記録をつけることです。もちろん理想は毎日ですが、記録を続けることでたまに高い日があっても他で下がっている日が多ければ、問題ないと判断できますし、逆に高い日が多ければ医師の診察を受けるきっかけになったり、治療を受けている方では大切な診断材料となるでしょう。
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