クエン酸で疲労回復 -2006年8月1日掲載-

古くから疲れた時にはすっぱい物を食べると良いといわれていますが、昔の人は経験的にすっぱいもの(クエン酸)には疲労回復効果があることを知っていたようです。

クエン酸は、レモンなど柑橘類、梅干し、お酢などに含まれている酸味成分です。

クエン酸には、疲労回復効果やカルシウムの吸収を促進する作用があり、最近では血液をサラサラにする効果も注目されています。

クエン酸の働き

クエン酸は、私達のとり込んだ食べ物から産生されています。

食事で炭水化物をとると、炭水化物は分解されて糖になります。糖はさらに代謝され「アセチルCoA」という物質になります。この「アセチルCoA」がオキザロ酢酸と、結びついてクエン酸を生成し、クエン酸回路(TCA回路)へと入ります。

クエン酸

クエン酸はクエン酸回路の中で8つの酸に変化してゆき、その過程でエネルギーが作り出されます。クエン酸回路は繰り返されエネルギーを出してゆくのですが、このクエン酸が働くためには酸素が必要です。酸素が不足するとクエン酸回路の働きが低下し、ピルビン酸は「アセチルCoA」になれず、疲労物質である乳酸が作られてしまいます。

しかし、クエン酸を直接摂取することによりクエン酸回路の活動が活発になってきます。そして乳酸をすばやくエネルギーのもとに戻してくれると考えられています。

クエン酸の効果

  • 疲労回復・・・クエン酸を摂取すると血液の循環がよくなり、酸素がゆきわたることで乳酸の分解が進む。
  • 血液サラサラ効果
  • カルシウムの吸収を促進→骨粗鬆症の予防
クエン酸を多く含む食品
食品 1日の目安量
レモン 1/2~1コ
夏みかん 1/2~1コ
温州みかん 1~2コ
グレープフルーツ 1/2~1コ
オレンジ 1/2~1コ
イチゴ 5~7粒
パイナップル 1/8~1/6コ
キウイ 1~2コ
梅干し 10~20ml(飲む時は5倍に薄める)

クエン酸のとりかた

クエン酸
クエン酸だけを単独で大量にとっても、クエン酸回路は上手く機能しません。とり方としては、次のようなことに気をつけて下さると一層効果的です。

  1. 一日3回くらいに分けて、こまめにとる
  2. 糖質と組み合わせてとる
  3. ビタミンB1を多く含む食品(豚肉、うなぎ、大豆etc)と一緒にとる

一般的には果物として食べる、サラダ、酢のもの、寿司などの料理に調味料として利用します。手軽な方法としては、市販のレモン果汁を水に溶かして飲んだり、焼き魚やフライ、酢のものに利用するのもよいでしょう。お酢を炭酸、水、お湯、紅茶などで割り、お好みでハチミツなどを入れ、サワードリンク、健康飲料として飲む方法もお勧めです。

クエン酸のサプリメントもいろいろありますが、簡単に多量のクエン酸がとれるため、とりすぎの心配があります。基本は食べ物からとることです。

クエン酸をとる手軽な料理をご紹介します。

かじきまぐろのノワーゼット風

材料
材料 分量
かじきまぐろ 1切れ
ソース
青じそ 3枚
レモン汁 1/2個分
ニンニク
パン粉 大さじ2

作り方

  1. かじきまぐろに塩、胡椒し、小麦粉をまぶしてサラダ油で両面を焼く。
  2. ソースは、バターをなべに入れ煮溶かし、水分を飛ばす。ニンニク、パン粉を入れ、パン粉が薄く茶色に色づく程度に加熱する。青じそ、レモン汁を入れる。
  3. 焼いたかじきまぐろを皿にとり、しょうゆをかけ、先に作ったソースをかける。

アジの南蛮漬

材料
材料 分量
アジ 5-6匹(小さめのもの)
玉ねぎ 200g
赤とうがらし 2本
調味料
だし 1/2カップ
さとう 大さじ4
1/2カップ
しょうゆ 大さじ3
小さじ1/3

作り方

  1. アジは内臓をとり、小麦粉をつけてサラダ油で揚げる。
  2. 玉ねぎは薄切りにする。
  3. 赤唐辛子を入れ、一煮立ちさせた調味液に、揚げたアジとスライスした玉ねぎを漬け込む。

暮らしと健康(保険同人社)2004年8月号
健康食品 栄養成分早わかり(幻冬社)
ほっとモーニング 2005年6月22日放送
ためしてガッテン クエン酸ホントの健康パワー 2004年10月13日放送