飲み込みの悪い方の薬の飲み方 -2012年10月18日掲載-

お薬が体の中で効果を発揮するためには、まず薬を飲まなければなりません。通常、無意識にできる『飲み込む』という動作ですが病気や高齢のために出来なくなってしまうことがあります。これを『嚥下困難』といいます。

嚥下困難になると、食べ物や薬が喉に引っ掛かって留まったり、気管の中に入ったりします。その結果、窒息や肺炎などを起こしてしまう場合があります。

それでは、嚥下困難の人が薬を飲むにはどうすれば良いでしょうか。その対策について紹介します。

まずは水にとろみをつけて飲む方法です。錠剤は飲めるけれど、水を飲むとむせてしまう場合に良いでしょう。水が気管の中に入っていくのを防げます。それでも難しい場合は、ゼリーと一緒に飲むこともあります。スプーンにゼリーをすくい錠剤を差し込んで飲ませてあげると飲みやすくなります。なるべく舌の奥の方に乗せることで、ゼリーと錠剤の分離を防げます。

最近は飲みやすくなるよう工夫がされたOD錠(口腔内崩壊錠)と呼ばれるものが増えてきました。これは口の中の少量の水分で溶けて、水なしでも飲めるような剤形です。ただし極度に口内が乾くドライマウスの人には使えません。また、ゼリータイプの薬も出てきました。

その他にも、錠剤を砕いたり、水に溶かしたり、粉薬に変更したりといった方法もあります。ただ、薬の安定性に問題があったり、苦みが出たり、同じ成分の粉薬が発売されていなかったりといったことがありますので、すべての薬で使える方法ではありません。
嚥下困難の人が薬をきちんと飲むためには、自分に合った飲み方を見つけることが大切です。医師・薬剤師と相談しながら、飲みやすい飲み方を探してみてください。