外用剤による光線過敏症 -2009年8月1日掲載-

夏になると日差しが一段と強くなり、日焼け対策を行わないと肌が黒くなり、シミやしわの原因となります。酷いときは様々な皮膚障害を引き起こします。日焼けは誰にでも起こりますが、普通量の日光にあたっても皮膚症状が現れる場合を光線過敏症といいます。

光線過敏症の原因の一つに薬物があります。ある種の抗生物質や消炎鎮痛剤、利尿剤や糖尿病の薬が知られています。薬物による光線過敏症には、日焼けのように光のエネルギー自体が問題となる光毒性光線過敏症と、体に取り込んだ薬が光によってアレルギー物質となり皮膚症状を引き起こすアレルギー性光線過敏症があります。

薬物による光線過敏症の中で有名なのが非ステロイド消炎鎮痛剤を含有する湿布や塗り薬です。湿布をはがしたり、薬をぬった部位が日光を浴びると、赤く腫れる皮膚炎を起こします。湿布や塗り薬を使用して外出するときは、直接日光を浴びないよう患部を保護して下さい。首周りなら襟のついたシャツを着たり、タオルをまくとよいでしょう。手足なら今の時期暑いですが、長袖・長ズボンを着用することをお勧めします。膝等はサポーターを使用するのもよいでしょう。但し白色や薄い衣服は光を通すので注意が必要です。

また海水浴・ゴルフ・テニス等強い日差しを浴びる活動はなるべく控えた方が良いと思います。湿布による光線過敏症は、はがした後、少なくとも4週間は皮膚炎を起こす可能性がありますので注意して下さい。

光線過敏症と思われる皮膚症状が出た時はすぐに薬の使用を中止し、皮膚科を受診して下さい。薬剤師から日光をあびることを避けるように説明があった場合は、大丈夫だろうと過信せず守るようお願いします。

今、使用中の湿布等のことでご心配な方は薬剤師に相談をしてみて下さい。