お薬の飲み忘れ -2008年7月1日掲載-

病院で処方されたお薬を「飲み忘れてしまった…」という経験はありませんか?ほとんどの薬は、次の服用時間が近くなければ、思い出したときにすぐ服用してかまいません。しかし、服用時間が重要な意味を持つ薬の場合はそういうわけにはいきません。

例えば、食直前に服用する薬に血糖値を下げる薬がありますが、服用し忘れた場合に、“服用せずに次の食事まで待つ”薬と、“食事中に気付けば服用してよい”薬があります。前者は副作用である低血糖を防ぐために、後者は食後または空腹時では十分な効果が期待できないためにそのような対応になります。

また、吸収が食事や他の薬に影響される薬として、骨粗鬆症の薬があります。これは消化管の中に食べ物がほとんど残っていない起床時(朝食前)に服用する必要があり、飲み忘れたら“翌日から服用する”ことになります。

反対に空腹時では吸収されにくい薬は、食後すぐに服用する必要があります。青魚に多く含まれる物質を主成分とした動脈硬化や脂質異常症に効果のある薬がその代表です。

食後すぐに服用したほうがよい薬には、痛み止めなど胃腸障害を起こしやすい薬もあります。食後すぐの服用を忘れてしまった場合は、水分や食物を少しでも摂取してから服用するとよいでしょう。くれぐれも飲み忘れたからといって、2回分を1度にまとめて服用することのないよう注意してください。

また、服用時間には朝・昼・夕・寝る前などがありますが、人によって忘れてしまいがちな時間帯があるようです。服用時間に関わらず同じ効果が期待できる薬の場合には、時間を変更することによって飲み忘れを改善できます。

薬の飲み忘れでお困りの方は、お気軽に薬剤師にご相談ください。