メタボリックシンドローム -2008年4月1日掲載-

メタボリックと聞くと、お腹周りが気になる方が多いでしょう。メタボリックシンドロームの検査の中にウエストの周囲径(腹囲)があります。男性で85cm以上、女性で90cm以上あると内臓脂肪の蓄積が疑われます。男性の基準が5cm厳しいのは、女性は皮下脂肪が多いのに対して男性ではお腹の中に脂肪がたまる内臓脂肪型の肥満が多いからです。内臓脂肪の蓄積は、生活習慣病といわれる高血圧症や糖尿病・脂質異常症の原因となり、動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞にかかりやすくします。

さて、今年の4月からメタボリック症候群健診(メタボ健診)が実施されます。メタボ健診は、生活習慣病のようにあまり自覚症状がなく、自身では見過ごしがちな病気を早期発見し、改善するための指導を行うというものです。

メタボ健診は、国民健康保険や企業の健康保険組合に加入している40歳~74歳の方は必ず受ける事になっています。検査項目は腹囲・血圧・血糖値・コレステロール値で、基準値を上回った場合に指導を受けなければなりません。メタボが気になる方は、生活習慣を見直し、禁煙、食事療法、運動療法を行い、適正体重の維持に努めてください。

食事では、野菜、大豆タンパクを多く摂り、揚げ物や卵を控えましよう。また運動は有酸素運動が効果的で、ウォーキング、水泳、サイクリングなどが適しています。医療機関や薬局にリーフレットが置いてありますので、お気軽にお持ちいただくとよいでしょう。

メタボ健診で薬による治療が必要と診断された場合は、自覚症状がないからと放置せず食事・運動療法を取り入れながら積極的に治療しましょう。早期治療は心筋梗塞や脳梗塞などの予防につながります。お薬の服用期間が長くなるなど、ご不安に思われる方は薬剤師にご相談ください。