身近な「胃薬」について -2007年6月1日掲載-

皆さんにとって「胃薬」は一番身近なお薬ではないでしょうか。しかし一言に「胃薬」と言っても、その種類と効果は様々です。

「消化薬」は食べ過ぎや消化機能の低下などが原因で食後に胃がもたれた時、膨満感が強い時に効果を発揮します。また、消化を促進し胃の働きを活発にする「消化管運動機能改善薬」も一緒に処方されることがあります。これらの胃の働きを良くするお薬は、食事中に効果が発揮されるよう、食事の30分ほど前の服用が一般的です。空腹時に胸やけがするのは胃酸の出過ぎが原因となっていることが多く、「胃酸分泌抑制薬」や「胃粘膜修復薬」が使用されます。またこのような場合には、刺激性のある食品・ストレス・喫煙なども控える必要があります。

胃酸が食道へ逆流して頻繁に胸焼けを起こすと「逆流性食道炎」という疾患になることがあります。一般的には胸焼けやすっぱいものが上がってくるという症状が主ですが、胸痛やのどの違和感、咳などといった症状で現れることもあるようです。食道と胃のつなぎ目が加齢などで緩んでくると起こりやすく、前かがみで仕事をするなど姿勢が悪いとお腹を圧迫して胃酸が逆流し胸焼けがひどくなります。この様な場合、眠る時に上半身を少し高くすると症状が改善されることがあります。治療薬としては「胃酸分泌抑制薬」が用いられますが、刺激のある食事をできるだけ避けるなど食生活の改善も必要です。

この他、高血圧、喘息、風邪や腰痛・肩こりなど胃に関係がない病気で病院にかかっている時でも、「胃薬」が処方されることがあります。治療薬の副作用による胃への負担を減らす目的で処方されることが多いようです。

「胃薬」について疑問や分からないことがございましたら、お気軽に薬剤師にご相談下さい。