漢方薬の副作用と効果 -2007年4月1日掲載-

今回は漢方薬の副作用と効果についてのお話です。漢方薬のなかでもポピュラーな葛根湯(かっこんとう)に多く含まれる麻黄(まおう)には交感神経を興奮させる作用があり、血圧上昇や動悸、不眠の症状が現れることがあります。また多くの漢方薬に含まれる甘草(かんぞう)は、カリウム値の低下やむくみ、血圧上昇を起こすことがあります。特に2種類以上の漢方薬を併用する際、この甘草が重複している場合があり注意が必要です。

漢方薬は長期間服用しないと効果が現れ難いと考えられがちですが、必ずしもそうではありません。病気を体から「取り去る」漢方薬には一服で効果がわかるほど即効性があるものもあり、長期間に亘って服用を続けると副作用を起こしやすくなります。一方、体力などを「補う」漢方薬では即効性はなく長く服用しても副作用が少ないようです。

西洋薬との飲み合わせについても注意が必要です。肝臓疾患に使われる小柴胡湯(しょうさいことう)と注射のインターフェロンという薬は、併用すると間質性肺炎という副作用を起こし、同時に使用してはなりません。先述の甘草を含む漢方薬と一部の利尿剤を併用するとカリウム値が低下することがあります。

漢方薬はその都度、生薬を煎じたものを服用するのが最も効果的と考えられますが、利便性からエキス剤の顆粒が処方されます。顆粒のまま服用するのは便利ですが、お湯に溶かして服用する方が効果は良いようです。吐き気・嘔吐がある場合には冷やしてから服用するとよいでしょう。抵抗なく服用できる時はその漢方薬が病気に適していることが多いようです。また、牛乳やジュースで服用すると吸収が低下し、お茶での服用も避けたほうが良いとされています。

漢方薬の副作用や他の薬との併用、また服用方法など気になることがございましたら薬剤師にお尋ねください。