便秘のお薬 -2006年6月1日掲載-

便秘の定義は、『3日以上排便がなく、不快な状態が続いて日常生活に支障がある場合』としています。

一般的には食事や年齢、体質などが原因で起こる慢性の便秘が多く、特に高齢の方は腸の動きが鈍くなって便秘になりがちです。また女性はホルモンや腹筋が弱いなどの理由に加え、ダイエットや排便を我慢することも原因の一つです。

便秘解消にはまずは規則正しい食事が大切です。朝食は必ず摂り、その後トイレに行くという排便リズムを作ります。水分を十分摂り、特に朝の目覚め後にコップ1杯の冷水を飲むのが効果的です。食事は、食物繊維を多く含んだ野菜や果物、海藻類、また料理に使用する油も適量に摂ると便を出しやすくします。散歩や適度な腹筋運動も効果的ですが、最も大切なのは便意を我慢しないことです。便秘のお薬というと下剤ですが、主に2つのタイプがあります。一つは、腸内の水分の吸収を抑え、便をやわらかくして、腸の内容物を増やし動きを活発にする薬。もう一つは、腸の粘膜に直接刺激を与えて腸の働きを促進するものです。

前者でよく使われる薬が酸化マグネシウム。自然排便に近いので習慣性が少なく、長期間の服用も問題になることはほとんどありません。しかし、腎臓の悪い方や大量に牛乳を飲む方、カルシウムを摂っている方は併用の注意が必要です。

後者の下剤は、効果が出るのに8~12時間かかるので寝る前に服用しますが、このタイプは比較的効き目が強く長期に用いると耐性を生じるので注意が必要です。そのほか、直腸を直接刺激する坐薬や浣腸もありますが、習慣になりやすいので注意が必要です。

なお、腸の手術をした後や、飲み薬の副作用で便秘になりやすいような場合には、医師の指示に従って便秘の薬を定期的に服用するようにして下さい。