鍵は”ビタミンK”にあり! -2006年2月1日掲載-

血を固まりにくくする”ワーファリン”というお薬をご存知ですか?今回はワーファリンと飲食物の関係についてお話します。

このお薬を飲まれている方は「納豆とクロレラは食べないこと」と医師・薬剤師から指導を受けられていると思います。それはなぜでしょうか。

その答えの鍵は”ビタミンK”という栄養素にあります。
ビタミンKという名前は、あまり馴染みがないかもしれませんが、私達の体の中で主に止血を助ける役割を担っています。一方、ワーファリンはこのビタミンKの働きを弱めることで血を固まりにくくします。納豆とクロレラはビタミンKを多量に含んでおり、ワーファリンの効き目を弱めてしまいます。最近、納豆に含まれるナットウキナーゼが、血栓症予防に効果があるとして推奨されていますが、ワーファリンの治療を受けている方は治療上の妨げになるので食べないようにして下さい。

これ以外にもビタミンKは緑黄色野菜(ほうれん草・ブロッコリー・パセリなど)、海藻、緑茶などにも含まれています。しかし、これらの食品を一切食べてはいけないという訳ではありません。これらの飲食物は一度に多量に食べなければ問題ありませんし、栄養学的にもよくありません。毎日の食事で少しずつ食べるようにしましょう。

また、ビタミンKは青汁・アロエなどの健康食品にも含まれているので、ワーファリンを服用されている方は摂取を控えた方が良いとされています。ビタミンKを含む飲食物と上手にお付き合いすることがワーファリン治療を成功させる鍵のひとつです。ご不安な点や疑問は、かかりつけの薬剤師にお気軽に御相談下さい。