日常生活で注意すべき「お薬の相互作用」 -2005年9月1日掲載-

お薬とお薬の相互作用は患者様の関心も高いのですが、お薬と食物の相互作用については、あまり関心がない方も多く注意が必要です。今回は、喘息のお薬であるテオフィリンを例にとり、日常生活で注意すべきお薬の相互作用について、一例を紹介致します。

炭火で焼いた焼肉が美味しいことは、多くの方が経験されていると思います。これは炭火から出された近赤外線により『うまみ成分』を逃さないこと、また、炭火の燃焼ガスに水分が少ないことなどにより美味しさが増すと言われています。しかし、この炭火焼肉が、テオフィリンとの間には相互作用があることが最近の研究でわかってきました。大量に食べなければ大丈夫と報告されていますが、テオフィリンの効果を多少なりとも弱めてしまいます。

食後にコーヒーやお茶を飲みますが、これらに含まれるカフェインは、テオフィリンと類似した構造を持っているため、頭痛や吐き気などの副作用を起こしやすくする事があります。

食事以外にも注意すべきものとして、市販薬やサプリメントがあります。例えばストレスの多い方のサプリとして最近注目をあびているセントジョーンズワート含有食品は、テオフィリンの排泄を早め効果を弱めることがわかっています。

市販薬では、主成分のほかに補助的に含まれている成分にも注意が必要です。例えば、酔い止めのお薬には、少量ですがテオフィリンやカフェインが含まれているものがあり、また栄養ドリンク剤には、ほとんどカフェインが含まれています。

このように食事やサプリ、市販薬についてもお薬との飲み合わせがあり、せっかく貰ったお薬の効き目が悪くなったり、副作用が出やすくなったりしますので、薬局でお薬をもらわれる場合には、嗜好品やサプリ、市販薬についても、薬剤師に相談をして下さい。