気象の変化により起こりやすいめまいや頭痛。気象病はなぜ起こる? -2022年3月1日掲載-

皆さんは、低気圧や雨が降る前になると頭痛がしたり、季節の変わり目にめまいや体調を崩しやすくなったりすることはありませんか?もしかしたら、それは「気象病」かもしれません。

気象病とは?

気象の変化により起こりやすいめまいや頭痛。気象病はなぜ起こる?
気象病は、天候や気温・気圧・湿度などの気象の変化により引き起こされる、身体的不調や精神的不調の総称で、頭痛やめまい、肩こり、吐き気、倦怠感、情緒不安定、気持ちの落ち込みなど、さまざまな症状が現れるといわれています。症状の現れ方は人により様々で、一時的で軽度な方もいれば、生活に支障をきたすような方もいます。

気象病の原因とは?

気象の変化に伴う症状は、以前からいろいろな研究が重ねられてきましたが、そのメカニズムは完全に解明されていないのが現状です。気象病の発症は、気圧・気温・湿度など気象の変化によって自律神経が乱れることが原因ではないかと考えられています。自律神経とは、循環器、消化器、呼吸器など、私たちの体調を正常に保つために、24時間働き続けている神経です。この神経が気象の変化に反応して、敏感に働くことで症状が起こるとされています。気象の変化の中でも気圧が大きく関わっており、内耳にある気圧の変化を感じられるセンサーが、感じ取った情報を脳に送ることで自律神経が活発になります。しかしそのセンサーが敏感な方は、少しの気圧の変化でも過剰に反応し、脳にたくさんの情報が伝わってしまう為、自律神経のバランスが乱れると考えられています。

気象病の対処法・予防法は?

気象病の根本治療は難しいですが、不快な症状をおさえるような体質改善をすることはできます。漢方医学では気象病の対処には、汗やリンパ液、体液などの水の巡りを改善することが重要だと考えられています。水の巡りをよくしたり、自律神経のバランスを整えるために出来ることをご紹介します。

  1. 余分な水分を溜め込まないようにする
    特に湿気の多い季節は水の巡りが悪くなりやすく、体の水分がうまく排泄されず、余分な水分が溜まりやすくなってしまいます。そのために普段から余分な水分を溜め込まないようにすることが必要です。水分補給をする時は、必要以上に水分を摂り過ぎないようにしましょう。喉が渇いたからといって飲み物を一気飲みしてはいけません。少しずつ飲むようにしましょう。また適度にお手洗いに行き、老廃物を体外に出すことも重要です。
  2. 汗をかきやすいカラダを作る
    運動することを習慣にして、汗をかきやすいカラダ作りが必要です。激しい運動を続けるのは体力的につらいこともあるので、軽い運動や家で出来るストレッチなどがおすすめです。またお風呂でしっかりと湯船に浸かって、じわじわと汗が出てくるくらい体の芯から温めることも体質改善にいいでしょう。
  3. 規則正しい生活・バランスのとれた食生活を心がける
    ストレスや疲れ、睡眠不足など不規則な生活習慣は、自律神経のバランスを乱す原因になります。ストレスを溜めないようにすることは難しいかもしれませんが、少しでも自分がリラックス出来る時間を設け、上手にストレス発散できるよう生活リズムを整えましょう。またバランスのとれた食生活や、早寝早起きを意識し、しっかりと睡眠時間を確保することも大切です。

最近は地球温暖化の影響もあり、異常気象が起こりやすくなっています。気象病は気象の変化と関係しているため、完全に排除することは難しく、今後気象病に悩まされる方は増える可能性があります。特定の人に起こるものではなく、誰にでも起こりうるものです。つらい症状を出さないように対処法や予防法に取り組みながら、上手く気象病とつきあっていきましょう。