花粉症のはなし -2020年2月28日掲載-

今年も花粉症の時期がやってきました。
暖冬、温暖化等 今年は例年に比べ早めに飛散すると言われています。
日本人の約20%が対象となる花粉症のお話です。

花粉症のはなし

そもそもスギの木ってなくならないの?

スギが花粉を生産するのは、樹齢30年以降の木で、50年くらいでピークになります。
林野庁によると、スギは日本固有の樹種で本州から九州まで広く分布しています。
真っすぐ育つので、建材として幅広い用途に使用できるため、昭和35年頃から、建材としての需要が高まり、スギが好んで植えられるようになりました。
結果として日本の森林の約4割が人口林で、その中の約4割がスギ人口林となっています。
昭和40年後半には、スギ単一ではなく、広葉樹を混ぜながら整備をしたようですが、まだまだ樹齢30年以上のスギが花粉を生産している状況です。
しかし平成3年から少花粉の品種開発を始め、平成8年には初の少花粉スギが開発され、現在までに142品種に増え、無花粉スギも3種開発されました。
また5年ほど前から、雄花枯死剤というスギ花粉を食べるカビをスギに散布するという方法が試されています。
現在、実証データ、安全性等を調査している段階で、農薬として登録されるようです。

花粉が減少傾向になるのは、喜ばしいことですが、この少花粉スギに入れ替わるまでには、まだまだ年月が必要なので、しばらくは花粉症と向き合っていかなければならない現状です。

今シーズンから新しい治療薬が登場しました(かなり高額です)

もともと蕁麻疹や喘息の治療に使われていた薬ですが、今シーズンから花粉症にも適応拡大となった「オマリズマブ」です。
季節性アレルギー性鼻炎の方全員ではありませんが、重症の花粉症の方を対象として、メーカーは年1万人くらいを想定しているようです。

実際 最適使用推進ガイドラインに基づき、対象になるか判定されるので、大きな専門の病院でということになるでしょう。

対策

数年前に鼻マスクというものも出てきましたが、今年は新型の肺炎ウイルスの出現で、マスクが品薄状態です。メーカーも増産体制をとっていくようです。
花粉症はこの先もずっと付き合っていかなければならない疾患なので、毎年早めに準備・対策をしたいところです。
市販薬も、色々なジェネリック薬品が販売されてきました。また、空気清浄機も年々進化しています。
うまく利用して、今シーズンもなんとか乗り切ってください。