薬の保管方法と気をつける点 -2020年1月31日掲載-

みなさん、薬の保管はどうされていますか?
薬局で患者様にお話を伺うと、お薬箱に入れている方、薬局でもらった袋にそのまま入れている方、あるいは冷蔵庫に入れている方など、人によって保管方法はさまざまです。
薬を保管する上でいくつかの注意点がありますので、ご紹介させていただきます。

薬の保管方法と気をつける点

薬が影響を受ける3つのもの

薬は温度、湿度、光の3つに影響されます。全ての薬がこの3つに弱いというわけではなく、温度に弱いもの、湿度と光に弱いものなどさまざまです。薬にも期限がありますが、それは正しく保管した場合の期限です。温度が高い場所や常に光に当たる場所に置いておくと、期限はそれよりも短くなります。これは飲み薬だけではなく貼り薬や目薬などの外用薬にも同じことが言えます。

温度

薬は室温保存のものが多いのですが、この室温とは1℃~30℃のことを指します。室温保存の薬は昼夜の気温差でこの幅を超えないような所で保管する必要があります。車の中に放置すると、30℃を超えることがあるので注意しましょう。また薬には室温保存だけでなく、冷所保存や常温保存のものもありますのでそれぞれに合った保管が必要です。

湿度

湿度が高いと薬は早く劣化してしまいます。PTP包装(製品包装)の場合、あまり気にする必要はありませんが、子供の粉薬や一包化の薬(薬局で服用時間ごとに薬をまとめたもの)などは湿度の影響を受けやすいです。頓服の薬などを長期で保管する場合は乾燥剤を使って保管すると良いでしょう。
その他、粉末タイプの吸入薬を湿度の高い洗面所に置いておくことも、あまりお勧めしません。

薬が光に長時間当たると、変色や薬の成分が分解することがありますので、暗い所で保管します。太陽光だけでなく蛍光灯の光でも同じようなことが起こりますので、光が当たらないように注意してください。

冷蔵庫での保管について

冷蔵庫での保管はどうなのでしょう。まず室温保存の薬では1~30℃が保たれれば問題ありません。ただしドアポケット付近で保管しましょう。奥の方に入れておくと、必要以上に冷えてしまい凍ってしまうこともあるからです。水薬や目薬などは特に注意が必要です。
湿度に関しても冷蔵室であれば問題ありませんが、水分の多い野菜を保管するような野菜室は避けた方が良いでしょう。あえて多湿にするような機能が付いている冷蔵庫もあります。そういった場所での保管は避けた方が良いでしょう。
それから冷蔵庫から取り出した薬をそのまま室温で置いておくのもおすすめしません。冷蔵庫から取り出したペットボトルをそのままにしておくと、表面に水滴が付きますよね?その状態が薬の表面でも起こります。この水滴が湿気の原因になり、お薬の劣化を早めることになるので、冷蔵庫から出した薬は早めに冷蔵庫に戻すことを心がけてください。

薬は温度、湿度、光の影響を受け、それらに注意して保管をする必要があります。室温保存の薬であれば、昼夜の温度差があまりない部屋で、蓋つきの缶に乾燥剤を入れて保管することをおすすめします。