ピラティス -2019年6月28日掲載-

ピラティスとは?

ピラティスは1900年代初頭にドイツ人のジョセフ・H・ピラティス氏により考案されたエクササイズです。正しい運動で体を矯正すると、体が正しく機能するようになり、身体的健康へとつながっていくという考えが土台になっています。

ピラティスは「体幹・コア」の強化に注目しています。「体幹」とは体の中心、つまり胴体のことを言い、姿勢の保持やあらゆる動きの土台となる部分です。また、「コア」とは体幹にあるインナーマッスル(深層筋)のことを示します。インナーマッスルは、主に横隔膜、腹横筋、骨盤低筋群、多裂筋の4つの筋群から構成されており、これらは腰や骨盤、背骨などを支える役割を担っています。コアを強化するときに大切なのは筋肉量のバランスを整えることです。背骨、お腹、骨盤周辺の筋肉を意識することによって、前後左右全体の筋肉が偏りなく付いていくことが重要です。

また、ピラティスは歪みのない「正しい姿勢」を身に付けることを重要視します。私たちの体は、普段の生活習慣や癖によって自然と歪みが生じていることが多く、左右対称ではありません。正しい姿勢とは、正面から見た場合は脊柱を中心に左右対称になっている状態です。そして横から見た場合はゆったりとしたS字カーブを維持している状態です。具体的には、耳・肩・膝・くるぶしが地面から垂直に一直線に伸びた状態が理想的とされています。

ピラティスの健康効果

そして「呼吸の仕方」を意識することも重要なポイントです。主に「胸式呼吸」であり、胸郭を最大限に膨らませ肺に限界まで空気を入れたら、今度は絞り出すように吐くという呼吸による筋肉運動を行います。胸式呼吸を行うことで体幹にある腹横筋、背骨の椎間を支える多裂筋や骨盤低筋群を鍛えることができます。よって「体幹・コア」「姿勢」「呼吸」に意識をしながら行うことによって体が正しく機能するようになり、また様々な健康効果をもたらします。

健康効果とは、たとえば内臓が活性化される、活動するパワーを生み出す、疲れにくい体をつくる、呼吸運動により新鮮な酸素が取り込まれ基礎代謝量が増加する、新陳代謝が促進される、筋肉を常に刺激することにより肩こりや腰痛の解消になる、運動量が増加し適度な肉体的疲労感が得られることで、より睡眠の欲求が高まり睡眠が深くなり、そして目覚めが良くなるなど。ピラティスを始めることで体幹・コアの強化や姿勢改善なども期待できます。

ピラティスを行う際のポイント

ピラティス

ピラティスは立位、仰向け、座位、四つ這い、うつ伏せ、横向きなどスタートするポジションは様々ですが、正しい体の位置で行うことが大切です。骨盤が前傾してしまうと背中が反れてしまい、また後傾すると背中が丸まってしまうので正しい体の位置を意識しましょう。背骨のラインを保ち、吐く息を意識しながらおへそを後ろへ引き込むイメージをもつこと。また肛門や尿道を締めるイメージをすることも大切です。

無理することなく、最初は行いやすいプログラムを1つ(15分程度)選び、慣れたら2つ、3つと増やします。週1回から始め、慣れたら徐々に回数を増やしていきレベルアップしていきましょう。

また、ピラティスを行う時間はいつでもかまいません。自分の生活に合った時間を選んでじっくり体をほぐしましょう。特にお風呂上りなどは筋肉がほぐれやすい状態のため、お勧めのタイミングです。寝るまでの時間にゆっくり行うことで快適な眠りに繋げることもできます。

自分のペースで楽しみながら行い、健康な体づくりへと繋げましょう。