風疹について -2019年3月29日掲載-

風疹とは

風疹は風疹ウイルスによって引き起こされる急性の発疹性感染症で、風疹への免疫がない集団において1人の患者から5~7人にうつす強い感染力を有します。

風疹の原因

風疹は飛沫感染で、患者の咳やくしゃみで飛び散った細かい水滴の中にいるウイルスを吸い込むことで感染します。飛沫は水分を含んでいるため重く、患者の1~2m以内にいた場合に感染の危険性があります。

空気感染のようにウイルスが空中を長時間漂うことはないため、麻疹(はしか)や水痘(水ぼうそう)ほどの感染力はありません。

風疹の症状

感染してから2週間ほどで症状が表れ、5日間程度下記の症状が続きます。

  • 体のだるさ
  • ポツポツとした赤い発疹
  • 耳や首の後ろのリンパ節の腫れ

子供の方が症状は軽く、大人がかかると発熱や発疹がやや長引く傾向があります。また、一度感染し治癒すると大部分の人は終生免疫を獲得するので、二度と風疹にかかることはありません。

感染力のある期間

発疹の出た時点を挟んで前後2週間くらいが感染力のある期間と考えられています。ただし、ウイルスに感染しても症状が出ない人(不顕性感染)が15%程度います。症状はなくてもちゃんと免疫ができるのですが、知らぬ間に人に感染させてしまう可能性があります。

風疹が恐れられている理由

風疹に対する免疫が不十分な妊娠20週頃までの女性が風疹ウイルスに感染すると、お腹の中で感染した赤ちゃんは、難聴、心疾患、白内障、その他心身の発育障害を持って生まれる可能性があります。「先天性風疹症候群(CRS)」と呼ばれる先天性障害です。

風疹ワクチン接種について

風疹のワクチンは生ワクチンのため、妊婦さんは接種できません。免疫のない、または抗体価の低い妊婦さんはくれぐれも感染しないように注意してください。風疹が流行していたら、妊娠12週未満の方は人の多い場所への外出は厳禁です。それ以降も少なくとも24週くらいまでは気をつけてください。妊婦さんのご家族で、未接種・未罹患の場合は、ただちに接種してください。

今までに風疹にかかったことが確実である場合は、免疫を持っていると考えられるので、予防接種を受ける必要はありません。

過去の制度の変遷から、定期接種の対象となったのは、平成2年4月2日以降に生まれた人は2回、昭和54年4月2日~平成2年4月1日に生まれた人は1回、昭和54年4月1日以前に生まれた男性は0回です。

厚生労働省は、免疫のない昭和37年4月2日~昭和54年4月1日に生まれた男性を対象に、風疹の予防接種を3年間、原則無料にすると発表しました。2019年春に開始予定です。

風疹の予防接種は1回受けただけでは十分な免疫を得られない場合もあります。接種回数が定かではなく、免疫が十分であるか分からない場合は抗体検査を受けることをお勧めします。