白内障について -2018年1月31日掲載-

最近、目が霞んだりぼやけたりして見えにくいと感じることはありませんか?
もしかしたらそれは白内障のせいかも知れません。今回は最も身近な眼病の一つ、白内障についてお話ししたいと思います。

白内障とは

白内障とは水晶体が白く濁ることによって起こる病気です。水晶体は目をカメラに例えればレンズにあたります。この水晶体が濁ると、目に入った光の屈折率が本来と変わってしまったり、光が散乱してしまったりして、ものが霞んで見えるようになるのです。

白内障の原因

水晶体の濁りの原因は、水晶体に含まれるたんぱく質の変性や、含まれる水分量の変化と言われています。老化に伴って発症することが多いですが、糖尿病やアトピー性皮膚炎等の合併症として起こることもあります。また、紫外線の影響も指摘されています。紫外線により水晶体の繊維が破壊されるので、外出時にサングラスやつばのある帽子を使用すると良いでしょう。その他、喫煙も白内障のリスクを高めます。喫煙による肺がんや胃がんのリスク上昇はよく知られていますが、目にも悪影響があります。

白内障の治療

白内障と診断されても、日常生活に支障が無い程度であれば、特に治療はせずに定期的に眼科を受診しながら様子を見ます。また、症状が軽度の場合は、白内障の進行を抑える点眼薬を用いた薬物療法が検討されます。残念ながら、現在の薬物療法においては白内障の進行を遅らせるだけであって、水晶体の濁りを取り除ける訳ではありません。生活に支障をきたす程症状が進行した時には、手術が検討されます。

白内障の手術

白内障の手術は、濁ってしまった水晶体の替わりに人工のレンズを挿入するものです。手術の方法もいくつかありますが、現在、主に用いられているのは超音波で水晶体を破砕し、眼内レンズを挿入するものです。手術時間も10分程度で済むことが多く、他の眼病の手術と比べても痛みも少ないと言われています。但し、他の眼病を併発している場合や、白内障がかなり進行して水晶体が硬くなり、超音波で破砕できない時などは更に手術時間を要することもあります。なお、手術は日帰りで行うことが可能ですが、心臓病や糖尿病などの内臓疾患がある場合は、入院した方が安心です。手術の際には事前によく主治医と相談しましょう。

白内障手術後

手術の後は目の周囲を清潔に保つことが大切です。但し、通常早くとも手術後2日程度は入浴や洗顔ができません。洗顔できるようになるのは1週間程後で、このため白内障の手術は涼しい時期に勧められることも多いのです。

手術後の点眼薬は、一般的に「抗菌薬、ステロイド薬、非ステロイド性抗炎症薬」の3種が用いられます。これらを疎かにすると眼内炎のリスクが高まるので、手術が済んだからと言って油断せず、指示通り点眼しましょう。回復の度合いに応じて点眼薬の種類が減っていき、手術後2~3ヵ月間の継続的な使用が必要です。

後発白内障

手術後も定期的に眼科を受診しましょう。手術後に他の眼病が発見されることや、手術を受けた数年後に後発白内障が発症することもあります。後発白内障とは水晶体の後ろにある後嚢(こうのう)が濁って起こります。これは濁った後嚢をレーザー手術で焼切れば治ります。

白内障に限らず、視力の低下は生活に大きな支障をきたします。目は「加齢による影響を最も受けやすい臓器」と言われています。少しでも見えにくいと感じた時は、迷わず眼科を受診しましょう。

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