緑内障について -2016年12月29日掲載-

緑内障って?

緑内障とは、目から入ってきた情報を脳に伝えるための視神経というところに障害が起きて、視野(目に見える範囲)が狭くなる(欠ける)病気です。

視野の一部が黒く映り、徐々に広がっていき、失明する可能性もあります。日本の失明原因の一位を占める、注意しなくてはならない病気です。病気はゆっくり進行し、気づいたときにはかなりひどくなっていたということが多いようです。強い目の痛み、頭痛、吐き気、目のかすみなどの症状を伴う緑内障(急性緑内障発作)もあります。

一度失ってしまった視野は元には戻りませんので、40歳を過ぎたら定期的に検査を受けましょう。家族に緑内障の方がいる場合は特に注意が必要です。

治療は

緑内障は視神経の障害が何に起因するかにより分類され、治療方法が異なります。原因(外傷、角膜の病気、網膜剥離もうまくはくり、目の炎症、他の目の疾患、ステロイドなどの薬剤)が取り除ける場合であれば、原因に対する治療を行います。

現在最も確実な治療法は眼圧(目の中の圧力)を下げることです。眼圧が上昇することによって視神経が傷んでくるため、眼圧を下降させる薬物治療・レーザー治療・手術治療が、緑内障の種類や目の状態、症状の進行状況によって適切に選択されます。

緑内障を治療する薬

眼圧を下降させるためには点眼薬を続けて使用することが基本です。点眼薬が使えない場合や効果が不十分な場合、急性緑内障発作の場合などでは内服薬や注射薬を使うことがあります。

同じ眼圧を下げる目的でも、作用メカニズムの違いでいろいろな種類の薬があり、一つの薬で効果が不十分な場合には数種類を併用します。最近では2種類のお薬が配合されている製品も出てきています。

点眼薬の種類によって、点眼時に必要な注意や副作用が異なりますので、医師や薬剤師からしっかり説明を聞きましょう。

注意の例

  • 点眼後に目の周りを洗わないと、まつ毛が伸びたり目が黒ずんだりする
  • 朝に点眼しないと効果が少ない
  • 続けて点眼するときに間隔を長く開けないといけない

など

また、薬は毎日使用しましょう。緑内障は進行がゆっくりであるため、薬を使用していないと気付かず進行している場合があります。

眼圧が正常範囲だからといって治療は勝手に中止しないようにしましょう。眼圧が正常(10~21mgHG)にも関わらず、視野の障害が進行する場合があります(正常眼圧緑内障)。

緑内障の方が使用してはいけない薬

緑内障の方が使用してはいけない薬があります。使うと眼圧が上昇し、上がり過ぎると症状が進んでしまいます。

市販薬を買うとき、病院を受診するときなど必ず医師や薬剤師に伝えましょう。

使用してはいけない薬の例

抗不安薬 抗うつ剤 抗てんかん薬 抗パーキンソン薬 抗不整脈薬 狭心症治療薬 低血圧治療薬 片頭痛治療薬 風邪薬 咳止め アレルギー用薬 めまい薬 胃薬 排尿障害治療薬 ステロイド

など

緑内障の種類や、病状によって使用して良い場合もありますので、あらかじめ眼科の医師にそういった薬を使って良いか指示を仰いでおくのが良いでしょう。

オススメ記事