喘息とその治療について -2016年1月30日掲載-

喘息とその治療について簡単にご説明します。

どんな症状? 原因は?

喘息とその治療について

以前はゼーゼー・ヒューヒューという喘鳴(ぜんめい)がするから喘息だと思われていましたが、喘息の症状はそれだけではありません。咳だけが出ることもありますし、胸やのどに感じる違和感・痛みとして現れることもあります。

のどから肺へ続く空気の通り道である気道が、慢性的な炎症が原因で狭くなり、空気の流れが制限されて起こる症状すべてが喘息の症状なのです。

喘息を発症させる要因としては、アレルゲンの増加・化学物質・大気汚染・過労やストレスの増加などが考えられています。

喘息の人の気道は、症状がない時でも常に狭く空気が通りにくくなっています。また、とても敏感になっているため、ホコリ・タバコの煙・冷気・ストレスなどのさまざまな刺激に対して過敏に反応し、さらに狭くなることで発作を起こしてしまいます。


喘息の治療って?

治療目標は、発作の時の症状をしずめることではありません。

喘息の治療目標

  • 健康な人と変わらない日常生活が送れること
  • 正常に近い呼吸機能を維持すること
  • 夜間や早朝の咳や呼吸困難がなく十分な夜間睡眠が可能なこと
  • 喘息発作が起こらないこと
  • 喘息が原因で亡くなることがないこと
  • 治療薬による副作用がないこと
  • 気道が狭くなったままの状態を防ぐこと

発作を起こさないようにするためには、気道炎症の鎮静化を中心とした治療を行う必要があります。

治療には飲み薬も含めさまざまな薬が使用されますが、気道の炎症をおさえる効果が高い「吸入ステロイド薬」の使用が基本となります。この薬は、吸入薬なので気道に直接届き、飲み薬と比べて使用するステロイドの量が非常に少なくて済み、全身への作用が少ない薬であるためとても安心です。最近は、吸入ステロイド薬と気道を長時間広げ呼吸を楽にする薬が同時に吸入できる配合剤も使用されることがあります。

症状が起きてしまった時は、呼吸を楽にすることが最優先であるため、すみやかに気道を短時間広げ呼吸を楽にする吸入薬などの発作を抑える薬を使用します。

治療をしないと……?

治療の基本となる吸入ステロイド薬は、使用を中止すると効果がなくなってしまいます。
ですから、発作が起こっている時だけでなく、自覚症状がない気道の炎症に対する治療を毎日続ける必要があります。

自覚症状がなくなったからといってすぐに薬を止めてはいけません。気道の炎症が再び悪化し、すぐにまた発作が起きてしまいますので、医師の指示に従ってきちんと治療を続けることが重要です。適切な治療を長期間毎日行い、気道の状態を安定に保てば、健康な人と変わらない生活が送れるようになります。

発作が起きた時だけ薬を使って、気道の炎症に対する毎日の治療をサボっていると、気道がより敏感になって発作を起こしやすくなり、発作をくり返すという悪循環を招きます。
その結果、気道の壁が厚く硬くなり、元に戻りにくくなります。このような状態になると治療はとても難しくなってきます。

治療中に注意した方がいいことって?

薬による治療を毎日行うと同時に、症状の引き金となるアレルゲンや刺激などを避け、室内環境を整え、禁煙を行い、十分な睡眠をとるなど生活習慣を改善し、風邪をひかないように体調を整えることも大切です。

また、咳や痰が出るからと市販の咳止めを自分の判断で服用することは控えた方がよいでしょう。咳止めに含まれる薬の種類によっては、気道に詰まっている痰をますます切れにくくしてしまったり、気道を収縮させてしまったりすることがあり、喘息症状を悪化させる危険性があるからです。そして、喘息患者の中には解熱鎮痛剤により発作が誘発される人がいるため、解熱鎮痛剤はもちろん、解熱鎮痛剤の成分が含まれる市販の風邪薬の服用や貼り薬などの使用にも十分な注意が必要です。

かかりつけの医師や薬剤師によく相談し、症状を悪化させることがないよう治療にあたりましょう。