更年期障害とのつきあい方 -2015年12月28日掲載-

更年期障害とは

一般的に更年期とは、平均的な女性の閉経年齢である50歳の前後10年の45~55歳くらいのことで、その期間に起こる様々な体の不調を更年期障害と言います。

更年期障害は、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減少することによりホルモンのバランスや自律神経が乱れることが主な原因となって引き起こされますが、その人の周りの社会的な環境(子育てや仕事などの状況)が重なって、さらに症状が悪化することも少なくはありません。

更年期障害の症状

症状としてはホットフラッシュと言われるのぼせやほてり、突然の発汗が代表的ですが、手足の冷え、頭痛、肩こり、めまい、情緒不安定、不眠症などが多く挙げられます。それぞれの症状についての対処法は以下の通りです。

ホットフラッシュ
アルコール、たばこ、唐辛子やコーヒーなどの刺激物は避ける。首にウェットティッシュを置く、または水で塗らしたタオルを巻く、冷たい水を飲む等。
手足の冷え
根菜類など体を温めるものを食べる。温いお湯にゆっくりつかる。ウォーキングなどで筋肉をつけて血行を良くする。
頭痛
ストレッチで首や肩の筋肉をほぐす。なるべく光や音の少ない場所で安静にする。カイロや保温力の高い靴下、ひざ掛けなどで下半身を冷えないようにする。
肩こり
姿勢を正しくし、適度な運動をして血行を良くする。湿布を貼る。
めまい
ヨガなどの運動で筋肉をほぐしたり、入浴でリラックスしたりする。めまいが起こってしまったら自然に治まるまで楽な姿勢をとって休養する。
情緒不安定
ストレスを溜めないように心がける。家族や周りの人たちに予め更年期のことを理解してもらい、家事などを分担してもらうのも良いでしょう。
不眠症
睡眠時にラベンダーなどのリラックス効果のあるアロマを用いてみる。早寝早起きを心がける。リラックスできる時間を作る。

これらの対処法はあくまでも症状が軽い場合に自身でできる方法です。
更年期症状と一口に言ってもこれら以外にも多くの症状があり、毎日ストレスを溜めないことや、少しずつ運動をすること、食事バランスを考える、睡眠をしっかりとるなどの生活習慣の改善がとても重要になります。

最近では20代、30代の若い女性の間で若年性更年期障害という症状がみられ、その原因も過度のダイエットやストレス、不規則な生活などが大きな原因であると言われています。また、女性だけではなく働き盛りの40代、50代の男性の更年期障害もよく耳にするようになりましたが、これも男性ホルモンの減少に加え、ストレスや運動不足などが大きく影響しているようです。

更年期障害はまったく症状が現れない人もいて個人差がかなりありますが、日常生活に支障をきたす程に症状が重い人は医療機関の受診をお勧めします。治療には漢方薬、抗不安薬、HRT(ホルモン補充療法)などが用いられます。
更年期障害は男女問わず誰にでも起こりうる症状です。一生続く病気ではないと気持ちを切り替えて、まずは日常生活を見直し、快適に過ごす方法を見つけるようにしましょう。