いざという時に・・・応急手当について -2014年10月1日掲載-

突然のけが人や急病人が出た時、どうしたらよいでしょうか。

「どうしよう!」「すぐ救急車!」と多くの人が思うのではないでしょうか。
もちろんそれも大切です。でも、救急車を待っている間、あるいは、災害時など助けをすぐに呼べない時に、家族や友人だけでなく、その場に居合わせた人が応急手当を行う必要があります。速やかな応急手当により、命が救われる確率が上がり、その後の治療結果にもよい影響を与えることがわかっています。
いざ、という時のために、応急手当についての知識を持っておきましょう。

倒れている人をみつけたら ~心肺蘇生法~

  1. 周囲の安全を確認する(事故や災害時以外でも大切です)
  2. 肩をたたきながら声をかける「大丈夫ですか?」「どうしましたか?」(反応はありますか?)
  3. 反応・意識がなければ大声で助けを呼ぶ。「倒れている人がいます。誰か来て下さい!」
    周囲の人に、119番通報と、AEDを持ってきてもらうよう依頼する。
  4. 呼吸を確認する。(胸とお腹の動きを見ます。呼吸はしているか? 止まる・浅いなどの異常は? 10秒以内で!)
  5. 普段の呼吸がなければ、すぐに心臓マッサージ開始
    胸骨圧迫30回(胸の真ん中です。両手掌を重ね、肘を伸ばして真上から)
  6. 人工呼吸2回(倒れている人の顎を上げ、鼻をつまみ、呼吸が入るようにします。人工呼吸用マウスピースがないなど、口対口の人工呼吸がためらわれる場合は省略してもよい。)
  7. 胸骨圧迫30回と人工呼吸2回を1セットとして繰り返す
  8. AEDが到着したら
    1. まず電源を入れる(開けると自動で電源が入る機種もあります)
    2. 電極パッドを胸に貼る(貼る場所は電極パッドに書かれています。皮膚に直接しっかりと。汗などで濡れていたら拭く。貼り薬があれば剥がし、薬を拭き取る。ネックレス等ははずす。ペースメーカー等が埋め込まれている部分は避ける(皮膚が盛り上がっているのでわかります))
    3. コードを指定された場所へ差し込む。手当の対象者から離れる。機械が心電図を解析し、電気ショックの必要性を判断する。
    4. AEDの指示に従う。電気ショックが必要な場合は、誰も手当の対象者に触れていないことを確認し、ショックボタンを押す。
  9. AEDの指示に従い、心肺蘇生とAEDの手順を繰りかえす(救急隊が到着するか、本人の普段通りの意識や呼吸が戻るまで)

怪我をしたら ~出血・骨折~

出血

※手当をする時、感染症防止のため直接血に触れないこと。ビニール手袋を着用するか、なければビニール袋やラップを手に巻くなどで代用するといいでしょう。

  1. 出血している部分に清潔なガーゼやハンカチ、タオルなどを当てて圧迫する。(直接圧迫止血法)
  2. 傷口を心臓より高い位置へ上げる。
  3. 血がにじんできたら清潔な布を重ね、更に圧迫する。きつめに包帯を巻く。(包帯がなければ大判のハンカチやネクタイで代用できる)

骨折

  1. 開放性骨折(傷口から骨が見えたり、突き出ている)か、皮下骨折(傷口の中が見えていない)かを確認する。
  2. 出血していれば止血する。
  3. 開放性骨折の場合は、傷口をガーゼなどの清潔な布で覆う。骨が突き出ていたら、その周りにガーゼなどを積み重ね、骨を圧迫しないように、包帯などで巻く。
  4. 骨折した場所に副木をして固定する。(副木がなければ傘や週刊誌、ラップの芯、木切れ、新聞紙・ダンボールなど代用できるものを使う。固定する包帯がなければガムテープやタオルで代用できる。)
    折れた骨の両側の関節と副木を布などで固定する。
  5. 腕であれば、三角巾や、なければビニール袋などを使い、固定した部位を首からつる。

「いざという時」はいつ来るかわかりません。
すぐに救急車が来ない・すぐに病院に行けない・災害時ですぐに治療が受けられないなど、色々な「もしも」の可能性があります。そんな時に備えて、自分自身や周りの人の手助けとなるように、普段から応急手当の知識を持っておきたいものです。