サルコペニア肥満ってご存知ですか!! -2012年8月31日掲載-

サルコペニア(加齢性筋肉減弱症)とは、加齢とともに筋肉量や機能が低下する現象をいいます。
サルコは筋肉、ペニアは減少という意味があります。

サルコペニア肥満とは?

サルコペニアと肥満の両方を有する状態をいいます。
サルコペニア肥満になると、歩行動作などの日常生活における活動能力の低下に影響を与え、寝たきりや要介護になる確率が高くなります。

サルコペニアあるいは肥満のどちらか一方だけを有するよりも、生活習慣病のリスクが高まることが知られています。

メタボとの違い

メタボは知っていても、サルコペニア肥満は知らない方が多いと思います。
メタボリックシンドロームは内臓脂肪肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常のうちの2つの症状を有するのに対して、サルコペニア肥満は肥満と筋肉量の低下を有するという違いがあります。

メタボリックシンドローム
内臓脂肪肥満
高血糖・高血圧・脂質代謝異常のうちの2つの症状
サルコペニア肥満
肥満
筋肉量の低下

しかし、生活習慣病のリスクを高めるという点は共通です。

サルコペニアはダイエットによっても起こります。
運動もせずに食事量だけ減らしてダイエットをすると、筋肉量は減少してしまいます。

ダイエットにより起こるサルコペニアを防ぐには

食事制限だけでなく、レジデンス運動(スクワットや腕立てなどのなどの筋力トレーニング)や有酸素運動を取り入れる

レジデンス運動は週に2~3回行い、有酸素運動はできれば毎日継続します。

たんぱく質をとる

たんぱく質は筋肉の材料になる成分であるため、たんぱく質の元となる必須アミノ酸をバランスよく積極的にとります。

効率的なレジデンス運動とは

適した負荷をかける

強い負荷をかけるのはケガの原因になるため、徐々に負荷を上げていき自分にあった適度な負荷をかけることが大切です。

正しいフォームで行う

速く行った方が効果がいいように思いますが、実はゆっくり行った方が筋肉に負荷をかけることができます。

筋肉を休ませる日をつくる

レジスタンス運動で負荷をかけた筋肉が修復され、さらに太い筋肉になるためには筋肉を休ませてあげることが大切です。

良質のたんぱく質とは

以下の9つのアミノ酸を必須アミノ酸と言い、このアミノ酸をバランス良く含まれるたんぱく質のことです。

  • ロイシン
  • バリン
  • フェニルアラニン
  • トリプトファン
  • イソロイシン
  • ヒスチジン
  • リジン
  • スレオニン
  • メチオニン

卵、牛乳、大豆、豆腐、納豆、カツオ、サケ、イワシ、シジミ、牛サーロイン、 豚ロース、鶏ムネ肉、かまぼこ、ロースハムなどで摂取できます。

若い年代でも筋肉の衰えは深刻化しています。何歳であっても、筋力トレーニングによって筋肉量を増加させることが可能であることは知られています。
健康寿命の延長のためにもサルコペニア肥満の予防・改善を心掛けましょう。