めまい -2008年1月1日掲載-

誰でも大なり小なりめまいや立ちくらみの経験があることでしょう。めまいは命に関わる程のものばかりではありませんが、中には脳塞栓の前兆だったり生命の危険を招くような病気が隠れていたりする場合もありますので注意が必要です。

めまいの起こるしくみ

人間は眼、耳(内耳迷路)、皮膚や足(深部知覚)などから送られる情報を脳が処理して、体のバランスを保っています。めまいとは、このシステムのどこかに異常が起き、あたかも自分が動いているかのように感じてしまう症状を言います。

要注意!脳の病気からくるめまい

めまいの中でも脳に関係する病気によって起こるものは注意しなければなりません。一過性脳虚血発作といって、一時的に脳の血のめぐりが悪くなる病気では、激しいぐるぐる回りのめまいが起こります。特に高齢者では脳梗塞を起こす危険性があります。

めまいを起こす脳の病気

めまい

  • 小脳や脳幹の梗塞や出血
  • 脳動脈硬化
  • 脳血栓症や脳塞栓

突然のめまいの対処法は?

突然めまいが起こったら、次の点を守ってください。

  1. 頭を動かさず、楽な姿勢をとる
  2. 衣服をゆるめて横になる
  3. 静かな部屋で、目を閉じて安静にする
  4. 心を安静に保つ

その上で、すぐに医療機関を受診しましょう。

診察を受けるときのポイントは?

症状について詳しく伝えることが診断と治療に大変役立ちます。

  1. どのような状況で起きたか
  2. どのような姿勢で起きたか
  3. どのようなめまいだったのか
    (ぐるぐる回る感じ、フワフワした感じ、足元がふらつく、目の前が暗くなるなど)
  4. どれくらい続いたか
  5. めまい以外の症状
  6. 過去にかかった大きな病気
  7. 職業やその他生活習慣
  8. 家族・親戚の様子

めまいを起こす原因は?

めまいの多くは生活習慣や病気が原因で起こります。

めまいの原因

暴飲暴食、お酒の飲みすぎ、タバコの吸いすぎ、生活環境・社会環境からのストレス、血圧降下剤の効きすぎ、交通事故などによる外傷、熱風呂・長風呂、いろいろな病気(脳卒中、メニエール病、中耳炎、高血圧・低血圧など)

生活習慣の改善

めまい防止のために日々の生活の中で次のような点に注意するとよいでしょう。

  • コーヒー・たばこ・お酒・塩分を控える
  • 適度の運動、1日30分の早足散歩が効果的
  • 十分な水分を摂る(特に入浴前、寝る前)
  • 騒音を避ける
  • 半身浴(適温でリラックスする)
  • ストレスを出来る限り避ける

予防対策

  • ラジオ体操、30分の早足散歩をする
  • 便通をよくする(ただし便秘薬に頼らない)
  • 午後3時以降の間食は控える
  • 降圧剤、血液をサラサラにする薬の服用時間を守る
  • 寝る前にコップ一杯の水を飲む
  • ふくらはぎのマッサージを3~5分する