慢性的な息切れCOPD -2007年12月1日掲載-

COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは

タバコなどの有害な空気を吸い込むことによって、空気の通り道である気道(気管支)や、酸素の交換を行う肺(肺胞)などに障害が生じる病気です。肺気腫や慢性気管支炎と呼ばれていた病気がCOPDに含まれます。

患者数は世界的に増え続けていて、2020年には世界の死亡原因の3位になると予測されています。日本では、2001年の全国調査で患者数は530万人以上と推定され、2007年には700万人を超えるのではないかといわれています。40歳以上の男女のうち8.6%の人がCOPDの疑いがありますが、COPDは年齢とともに発症頻度があがるため、70歳以上では5人に1人の割合にもなります。

COPDの危険因子

COPDは別名“肺の生活習慣病”とも呼ばれ、主に喫煙者、喫煙歴のある人に多い病気です。タバコに含まれる有害物質が気管支や肺を傷つけることにより、肺胞がこわれたり気管支に炎症が起きたりします。また、受動喫煙によってもCOPDは発症することがあります。喫煙以外の原因として、大気汚染や職業的な塵埃や化学物質などがあります。

COPDチェック

次のような症状がある人は、肺機能検査を受けましょう。

  • 40歳以上で、タバコを吸っているまたは吸っていた
  • しつこく続く咳、痰
  • 同年代に比べて息切れしやすい

COPDの患者さんでは、はじめは、風邪をひいているわけでもないのに慢性的に咳や痰が出たり、階段や坂道を登るときに息切れがするといった症状がみられます。放っておくと長い間のうちに徐々に進行し、呼吸困難がひどくなり、少し動いただけでも息切れがして日常生活にも影響が出てきます。

COPDの治療

COPD
今のところCOPDを根本的に治し、もとの健康な肺に戻す治療法はありませんが、少しでも早い段階で病気に気づき適切な治療を開始することで健康状態の悪化と日常生活の障害を防ぐことができます。COPDの治療法としては、禁煙、薬物療法、呼吸リハビリテーションなどが行われます。さらに重症になれば、酸素療法や外科的療法が行われることもあります。

禁煙

禁煙は治療の第一歩です。COPDになってからでも、禁煙を行えば、呼吸機能の減少率は、喫煙しない人と、禁煙して2年以内にほぼ同じになることがわかっています。

薬物療法

はたらきによって大きく4つのグループに分けることができます。基本となる薬剤は気管支を広げるはたらきのある気管支拡張薬、特に吸入器を使って口から吸入するタイプのお薬(吸入薬)が多いですが、飲み薬や貼り薬もあります。また必要に応じてステロイド薬、去痰薬、抗菌薬なども使用されます。

呼吸リハビリテーション

患者さんおよび家族を対象に、地域社会における個人の自立度と活動レベルをできる限り高め、かつ維持することを目的とした包括的なプログラムです。その中でも中心となるのが、呼吸理学療法で、残された呼吸機能を最大限に生かすためのトレーニングを行います。

急性増悪の予防

風邪やインフルエンザなどの感染症が引き金となって、COPDの症状が急激に悪化することを“急性増悪”といいます。入院治療が必要になることもあり、深刻な場合は、命にかかわることもあるので、手洗い・うがいなど予防が何より大切です。
SpiNet:COPD情報サイト