嗅覚障害(においがわからない)について -2007年1月1日掲載-

嗅覚障害「においを感じない」という経験はありませんか。においがわからないとおいしい食べ物も満足感が違ったり、自然の花のにおいや日常の香水のにおいなども解らなくなったり、不自由なことが多く出てきます。においはどのように伝わるのでしょう。空気中のにおい物質は鼻の中を入り、鼻の奥にある嗅覚細胞に達します。嗅覚細胞は神経を介して、におい物質の信号を脳に刺激として伝え、これにより私たちはにおいを認識します。この流れがスムーズにいかないと「においを感じない」ということになります。

嗅覚障害の原因

鼻の通りが悪くなっている
アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、鼻中隔湾曲が原因で、においの物質が嗅覚細胞に達していないときになります。
嗅覚細胞が正常に機能しない
様々な原因があります。細胞が何らかの原因(風邪・鼻の粘膜が腫れ上がっているなど)でその機能を失った状態になっています。
嗅神経経路の異常
脳の障害、外傷などでなります。

治療方法は

嗅覚障害は様々な原因が重なっておこっている場合が多く、それぞれの治療が必要になります。

嗅覚細胞にはステロイドの点鼻薬を使ったり、ビタミン剤や血流を改善する薬を服用したりして、嗅覚細胞を元気にする治療を行います。(このステロイドの点鼻薬はちょっとしたコツがあります。一般の点鼻薬とは違いますので耳鼻科医院、薬局で十分指導を受けてください。)

これと平行して、抗アレルギー薬の服用、副鼻腔炎の治療薬の服用、粘膜の腫れに対する治療、それぞれ疾患にあった、治療と内服も必要です。

手術が必要なときは

主に鼻の通りが悪いときで、鼻づまりや鼻ポリープなどがあるときは、場合によっては手術になります。

嗅覚細胞は非常に障害を受けやすく、なかなか修復しにくい細胞です。一度何らかの障害を受けたら、治療には時間がかかります。先ほどの点鼻薬も点鼻の体勢が特殊なので、毎日根気良くとなると大変な労力です。

一度解らなくなったら、なかなか戻ってこないのがにおいのようです。

においがわからないと感じたら早めに耳鼻科医院の受診をお勧めします。