臓器移植断念、昨年509人=医療態勢理由に、国が初調査

厚生労働省は24日、病院側の受け入れ態勢が整っていないことを理由に臓器移植手術を断念した患者が昨年、延べ509人に上ったとする調査結果を公表した。国によるこうした実態調査は初めて。

調査は、脳死判定を受けた131人の臓器のうち、移植手術が行われなかった192の臓器について、断念した理由などを分析した。

その結果、手術が見送られた患者は延べ3706人で、うち509人は病院の人員不足や、集中治療室(ICU)に空きがないことが理由だった。内訳は心臓53人、肺364人、肝臓15人、膵臓(すいぞう)55人、腎臓5人、小腸17人だった。

現行制度では、患者は臓器移植を受ける病院を原則1カ所しか登録できない。厚労省は複数の病院への登録を可能にすることなどを盛り込んだ移植医療体制の改革案を同省の有識者委員会に提示しており、今後、計画を取りまとめる。

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