横浜市立大学の研究グループは14日までに、血圧が少し高い人が脳血管疾患や心不全などを発症するリスクは、正常血圧の人と比べ倍になるとの調査結果をまとめた。血圧が高くなるほどリスクは上昇し、同グループは「健康診断であまり高い値でなくても、本人が意識的に血圧管理に取り組むことが求められる」としている。
調査は、2010年度か11年度に、職場で定期健診を受け、高血圧の治療をしていない20~64歳の8万1876人が対象。最大9年間の追跡調査を行い、血圧と疾患発症の関係を調べた。
期間中、334人が脳・心血管疾患を発症していた。このうち、最高血圧120―129mmHg、最低血圧80mmHg未満の血圧が少し高い「正常高値血圧」と呼ばれるグループでは55人が発症し、正常血圧(最高血圧120mmHg未満、最低血圧80mmHg未満)のグループと比べたリスクは1.98倍だった。
最高血圧130―139mmHg、最低血圧80―89mmHgの「高値血圧」では2.10倍、最高血圧140ー159mmHg、最低血圧90ー99mmHg以上の「高血圧」では、3.48~7.81倍に上った。
日本高血圧学会の推計によると、高血圧患者は約4300万人。放置すると動脈硬化が進行し、脳卒中や心臓病、腎臓病などを起こすリスクが高まる。
研究を行った桑原恵介准教授は「少し高い血圧の段階から、発症リスクに対する取り組みが必要だ」と述べた。