原因物質除去し進行抑制=米承認のアルツハイマー新薬

米食品医薬品局(FDA)が承認したアルツハイマー病治療薬「アデュカヌマブ」。症状を一時的に緩和する既存薬しかない中、エーザイなどが共同開発したアデュカヌマブは、脳内に蓄積して原因物質になるとされるたんぱく質「アミロイドβ(ベータ)」を除去し、早期アルツハイマー病の症状進行を抑えるとされるのが特長だ。

厚生労働省によると、国内には65歳以上の認知症の人が約600万人おり、うち6~7割がアルツハイマー病の患者と推計される。原因物質とされるアミロイドβは健康な人の脳内にもあり、通常は短期間で排出される。ところが何らかの原因で脳内に蓄積するようになると神経細胞を殺し、思考や記憶といった認知機能の低下が進む。

承認されたアデュカヌマブは、認知機能障害がない高齢者のリンパ球から作った抗体医薬品で、静脈に点滴投与する。投与後、一部が脳内に移行し、アミロイドβに結合して取り除く仕組みだ。

アルツハイマー病に詳しい東京大大学院医学系研究科の岩坪威教授(神経病理学)は「臨床試験(治験)では、投与された患者の症状の進行速度が、投与しないグループと比べて22%遅くなることが示された。早期アルツハイマー病の進行を遅らせることが期待される」と話している。

アデュカヌマブはエーザイと米バイオ医薬品大手バイオジェンが共同開発し、2020年12月、厚労省に薬事承認を申請した。有効性や安全性について審査が進んでいるとみられるが、米国での承認は日本での判断に影響を与える可能性もある。

時事通信社

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