高齢者施設、集団感染警戒し対策徹底=専門家「医療機関と連携密に」―新型肺炎

新型コロナウイルスによる肺炎が広がる中、全国の高齢者施設が集団感染防止の対策に力を入れている。「やり過ぎなくらいに徹底する」。罹患(りかん)した場合は重症化が懸念されるだけに、神経をとがらせる。

約170人が入居する老人ホーム「和陽園」(千葉市)ではウイルスを持ち込まないように、職員に勤務時のマスク着用と、検温や手洗いうがいを指示している。園内各所にはアルコール消毒液や加湿器を設置。インフルエンザと同じ対策だが、高橋浩士園長(58)は「やり過ぎなくらい徹底している」と力を込める。職員の対馬孝子さん(52)も「園外でも手洗いうがいを徹底している」と余念がない。

「スタッフには人混みを避けるように指導している」。介護付き有料老人ホーム「おあしす長丘」(福岡市)の管理者、石井義明さんは話す。感染症予防策としてインフル対策に努めているが、「他に特別なやり方があれば教えてほしい」と語った。

大阪市で5施設を運営する会社の男性幹部(42)は、「高齢の方を相手にする以上、感染症には注意しなければならない」と気を引き締める。職員には少しでも体調が悪いときは仕事を休むよう指示し、入居者の家族であっても体調が悪ければ面会を断っているという。

厚生労働省は新型ウイルスについて、「不明な点も多く、最新かつ正確な情報を収集してほしい」と全国の施設に要請。「感染経路を絶つことが重要だ」と訴え、手洗いやアルコール消毒などの徹底を求めている。

東京医療保健大大学院の菅原えりさ教授(感染制御学)は「すぐにできる対策は、せきエチケットや手洗いなどインフル予防と同じ」と指摘。感染症の専門家を抱える施設は少ないことから、「専門医らを置く地域の医療機関と連携を深め、いつでも相談できる態勢をつくれば心強い」と話している。

時事通信社

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