政府、社会保障改革で新会議=負担増焦点、担当相設置

政府は11日の内閣改造に伴い、年金や医療、介護制度の在り方を議論する新たな会議を設置する。2022年度以降の社会保障給付費の抑制に向け、高齢者の医療費自己負担割合の見直しなどが焦点となる。新内閣の目玉政策の一つと位置付け、内閣改造時の記者会見で安倍晋三首相が設置を表明する見通しだ。

首相は担当閣僚を任命する方向で調整しており、会議は早ければ今月下旬にも、関係閣僚や有識者が参加して発足する。

政府が会議の設置に乗り出すのは、急速な高齢化で、医療や介護などにかかる費用の膨張が避けられないためだ。「団塊の世代」が75歳以上の後期高齢者に入る22年度以降、社会保障給付費は急増するとみられ、17年度に約120兆円だったのが25年度には約140兆円となる見込み。抑制策の検討は待ったなしと言える。

すでに企業の健康保険組合では、高齢者医療を支える負担金増による財政悪化で解散するケースが相次ぐ。22年度以降は国の負担もさらに増え、予算編成に支障を来す可能性も指摘されており、政府関係者は会議設置について「政権の締めくくりを見据えた看板政策になる」と話す。

焦点となるのは医療費負担の引き上げだ。後期高齢者の窓口負担を1割から2割にする▽市販薬と同じ成分の薬を保険適用から外す―などがテーマになるほか、健康づくりに取り組む自治体や企業への支援策も議論されるとみられる。来年半ばに策定する経済財政運営の基本指針「骨太の方針」で方向性を示し、21年に関連法案を国会に提出する。

年内は、年金と介護が主要テーマになりそうだ。年金は先の財政検証結果を受け、制度の「支え手」を増やすため、短時間労働者への厚生年金の適用範囲拡大や、一定以上の収入がある高齢者の年金を減額・停止する「在職老齢年金」の見直しが議論される。介護ではサービス利用時の自己負担引き上げなどが挙がる。

ただ、痛みを伴う改革には反発も必至。高齢者医療の負担増などは政府の審議会も再三取り上げてきたが、安倍政権はまともに取り合ってこなかった。首相が自民党総裁任期中に衆院解散に踏み切る可能性も取り沙汰される中、「どこまで本格的な制度見直しに切り込むかは未知数」(経済官庁幹部)との指摘も上がる。

時事通信社

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