薬価、実勢踏まえ下げを=予防医療は費用増も―財務省提言

財務省は9日、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会で、2019年度に実施される臨時の薬価改定について「実勢価格を反映させることが必要」だとする提言を示した。19年10月に予定する消費税率10%への引き上げに伴う過度な国民負担増を避けるため、薬価が適切な水準に下がるよう厚生労働省に具体策の検討を要請。社会保障費の圧縮につなげることを目指す。

薬価改定では、病院や薬局が提供する薬の公定価格と実勢価格の格差を是正する。19年度の臨時改定では消費税増税分を薬価に上乗せするが、販売競争に伴う下落も同時に反映させるため、薬価全体ではマイナス改定になると見込まれる。財務省は価格抑制効果を高めるため10月の消費税増税を待たずに実施したい考えだが、値下げを迫られる製薬業界は難色を示している。

また提言では、安倍政権が「全世代型社会保障」を実現する上で柱と位置付ける「予防医療」に関し、「医療費の節減効果は明らかでなく、むしろ増大させるとの指摘もある」と明記。予防医療を通じた社会保障費の圧縮に期待すべきでないとして、国民負担を伴う改革の必要性を強調した。

このほか、新型がん治療薬「オプジーボ」など高額新薬が医療費増加の一因となっている現状を踏まえ、十分な費用対効果が見込めない高額新薬は公的保険の適用外とすることを検討すべきだと指摘した。一定以上の金融資産を保有する高齢者には医療・介護で支払い増を求めたり、75歳以上の後期高齢者の窓口負担を現行の1割から2割に引き上げたりする改革案も挙げた。

時事通信社

(Copyright©2007時事通信社)